国庫等助成金の税務と会計処理
最近、医療福祉政策、産業構造対策等の名目で、国や都道府県等から助成金を受け取る事例が増えています。ここでは、各種助成金収入についての法人税法上の取り扱いと会計処理について説明しましょう。(法人税法の収益事業課税の申告をしている公益法人の場合です。)
1.経費助成金と設備助成金
助成金は、大きく、経常的に発生する人件費や経費の助成金=経費助成金と土地建物等固定資産の取得に対する助成金=設備助成金とにわかれます。この二つで法人税法上の取り扱いが違ってきます。
2.経費助成金の税務と会計処理
経費助成金は、通常かかる費用を補填するものです。この分得をし、利益も出てくることになります。
そして、経費助成金については、法人税 法は課税対象としています。したがって、会計処理としても収益計上することとなります。
ちょっと考えてみるとおかしいという気もします。どうしてかというと、せっかく助成金をもらっても、その分課税され、その内の40%位を国や県に返すことになるからです。
3.設備助成金の税務と会計処理
設備助成金は、土地や建物といった固定 資産の取得に対して助成されるものです。 この法人税法上の扱いはどうでしょうか。 会計処理はどうするのでしょうか。
(1)公益法人以外の場合
公益法人以外の法人の場合、「法人税等の課税を繰り延べる(a)ことができる(b)」となっています。
ちょっとわかりにくい言い方です。何を言っているかわかりますか?
a「繰り延べる」
免除する、まける、払わなくていい、は言っていません。「繰り延べる」とは先に延ばす、後にずらす、という意味です。つまり、「助成金をもらった時には課税しないけれども、その後に課税する」ということです。
例えば、建物等の減価償却対象資産については、その耐用年数に応じて順次課税されます。土地のように減価償却しない資産については、その土地を誰かに売ったときに課税されます。
b「できる」
する、しなければならない、とは言っていません。「できる」とは「したければしてもいいよ」ということです。
そして、するためには、法人税申告書にそれを説明する表を付け、かつ、決められた会計処理をしなければなりません。
その会計処理方法は3種類ほどありますが、会計基準の上で認められてい るものは、「利益処分案で処理する方法」と「圧縮記帳する方法」です。
<利益処分で処理する方法>
利益処分案で助成金部分を「積立金」として計上する方法です。
<圧縮記帳する方法>
助成金部分を損益計算書で「圧縮損」として損失計上する方法です。
(2)公益法人の場合
公益法人の場合には、他の法人とは違います。「課税しない」といっています。つまり、どういう会計処理をしようと課税対象にはならないよ、ということです。公益法人の場合、公益性が高いので、普通は法人税の課税はしない、限定したものにする、という考え方からきたものと思われます。
ややっこしい話で恐縮ですが、わかりましたか?助成金をきちっともらうと同時に、その内容を正確に知り税務対応もしっかりしてほしいと思います。