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認定医療法人制度
――協働「緊急情報」2004年末
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1.認定医療法人制度の法制化情報
2004年暮れの12月03日付けの讀賣新聞の報道によれば、厚生労働省は新たに「認定医療法人」制度を法制化するという。
医療法によって設立が認められている医療法人は、現在でも複雑な制度と化しており、現状の医療法人制度に大きな波紋を呼び起こしそうである。
2.現行医療法人制度
医療法人は医療法によって設立が認められている特別的法人制度であり、当該医療法人が行うことが出来る事業は、医療・介護の事業とそれに付随的に発生する事業のみである。したがって多数の一般医療法人は、検査受託事業や給配食事業、資産貸付事業など他の事業を兼営することは出来ない。この一般医療法人の多くが、個人開業医が活用している、いわゆる「一人医療法人」であり、個人事業所得形態から給与所得形態への節税目的的意義となっている。
規模の大きな一般医療法人では、社団形態のものと財団形態のものがあり、前者は出資社員の持分ある社団と持分なき社団と二分類されている。
一般医療法人の法人税法上の取扱は、株式会社等の普通法人と同様の法人税率が課せられている。すなわち税率などの優遇措置はない。その理由は個人開業医等の圧倒的存在という点にある。
「特別医療法人」制度は、事業目的が医療事業等に限定されている一般医療法人とは相違して、認可を受けて他の事業、例えば給配食事業など本業の展開に支障しない程度の他の事業の兼営を認められる法人制度である。近時、この認可を受けようとする事例が増加している模様である。この特別医療法人も法人税等の優遇措置はない。
「特定医療法人」制度は、法人税率が協同組合と同様の税率として優遇される医療法人制度であり、法人税・法人住民税が節減できる医療法人である。1億円の課税所得で毎年1千万円前後の節税となる点で認可申請が増加しつつある。この特定医療法人の制度の要件は種々あるが、持分ある社団医療法人では認められない。また出資社員や役員らと当該医療法人との間に特別の利害関係(高金利の貸借など)が相当程度存するような場合も認められない。その認可審査や更新審査は財務省(各国税局)管轄となっており、近時の点検は厳しい様相となっている。
3.認定医療法人
厚労省が提起しようとしている認定医療法人の詳細は不明であるが、報道されている内容を観ると次のような事柄が特色である。
・医療法人の運営等に地域住民らが参画をする仕組みであること。(住民参加要件)
・経営内容等の情報公開がきちんと実施され、透明性が確保されていること。(透明性要件)
・この認定医療法人には、法人税率20%以下若しくは非課税の措置を講ずるよう検討すること
この新医療法人制度がどのような理由から提起されているのか判然としないが、病院機関債ガイドラインの公表や病院会計準則の大改訂、混合診療の提唱などの動きを重ねると、医療業界が今後相当に厳しくなって、予測を超える一大不況産業となり得て、その場合の「非営利性の強い医療法人」の存続を担保するための措置かとも見受けられる。
4.非課税公益法人医療機関
民法34条の公益法人形態の医療機関で法人税非課税の措置の適用を受けている法人が一定数存在している。その要件は特定医療法人などよりもっと厳しいものであるが、看護学校の設置、臨研指定取得、無料低額診療10%、などが法人税法の認可要件である。
周知の通り、公益法人制度改革(改悪?)の最新議論は、当該制度廃止と新非営利法人法の制定となっている。その議論の底流では原則課税としつつ一部の公益非営利法人のみ非課税措置とするかどうかの議論となっている。
一方で非営利法人法の枠組みでは統括しにくい厚労省が当該組織形態での医療事業を認可しない方向であるとすると(仮定)、認定医療法人制度の提起理由も、より明解に見えてくる。
穿った見方かもしれないが、さらに独立行政法人となった国立病院機構等の将来が、国の負担の廃止または削減と原則課税化とすれば、認定医療法人への移行という措置もあり得るかもしれない。
いずれにしても認定医療法人制度の詳細と、その背景等について注視検討していくことが必要かつ重要である。
私見では、非営利性等の要件を厳しくして、該当医療機関はすべて非課税とすべきと思う。しかしそのような措置は、営利化を促進する今日の市場経済下では、「差別」として排斥されていくこととなる。
利益は必要だが、どのような利益かという点と、利益の使途の透明性確保、これが重要だろう。
2007/12(坂根 利幸) |
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