協働
きょうどう
「協働」の紹介
リンク
協働のひろば
会計&法律
税務
非営利・協同
コラム&エッセイ
情報BOX
Q&A
ザ・ニュース!
トップページ 戻る
税務

平成16年度税制改悪等
2004/09

平成16年度の税制改正では、国民いじめの改悪事項を含めて、留意すべき事項がいくつかあります。本更新記事では主要な改正事項の紹介をします。詳細は解説書等で補強して下さい。



1.法人税制


(1)青色申告の欠損金の繰越控除の期限延長

 青色申告法人が計上した欠損金(課税所得のマイナス)は従来5年間に限って黒字所得との相殺が認められていましたが、今般の改正では、7年間に延長されています。平成13年4月1日以降開始事業年度に生じた欠損金からの適用です。英仏独のように無期限とすべきことは指摘するまでもありませんが、経営的に見ればそれほど赤字を引っ張ってはいけない点も強調しておきましょう。なお、関連して5年の保存期限とされていた帳簿書類等の保存期間も7年間に延長された点にも留意が必要です。

(2)改悪消費税の適用開始

 16年度の「改悪」ではありませんが、平成16年4月1日以降に開始する事業年度分から、消費税の免税ラインが1千万円に、簡易課税ラインが5千万円に引き下げられています。今まで免税ライン以下で関係なかった団体等では、注意が必要です。また2004年度分から初めて申告納税するような課税事業者(2年前の2002年度の消費税課税対象売上高が1千万円を超えている)となってしまう団体等では、特例措置として最初に適用される年度末日までに「簡易課税の届出書」を提出すれば、簡易課税の適用を受けられます。(通常は簡易課税適用年度の前年度末日までに提出が必要)
 なお個人の事業者の方々は、平成17年度分より適用されますのでご留意下さい。

(3)外形標準課税の適用開始

 資本金1億円以上の法人(公益法人等を除く)の事業税については、従来の所得金額課税から外形標準課税に変わります。平成16年4月1日以降開始する事業年度からの適用ですが、「儲けは無い」のに人件費等に課税されてしまう、第二の消費税のような内容です。いずれは小企業等にも拡大される気配であり、小企業、零細企業でも油断は出来ません。


2.所得税制


 今回の「税制改正」内容は、ほとんど弱い者いじめという以外にはありません。配偶者特別控除の原則廃止、公的年金控除金額の縮小、老年者控除の廃止、不動産の譲渡損失を他の所得金額と相殺することの禁止、などこの間の政府与党の弱者いじめの施策の典型的改悪内容です。しかも形式上の整備ですから、何も文句は言えず、サラリーマンも年金生活者の方々も、値下がりした不動産を売って損した方も、みな増税ということになります。
 退職金優遇税制の改悪、非営利法人・団体への課税強化など、税制改悪がまだまだ進行していく様相です。


3.計算例(所得税)


 2であげた所得税制に関して、簡単な事例を挙げて検討してみます。

  Aさんは、68歳、年金受給者で年間300万円を受け取っています。
  その他にアパートの賃貸をおこなっており、不動産の年間所得が200万円でした。
  なお、所得控除は以下の通りとします。


   社会保険料控除…16万円
   生命保険料控除…10万円
   配偶者控除………38万円
   配偶者特別控除…38万円 
   老年者控除………50万円
   基礎控除…………38万円
    合計……………190万円

  同じ条件で、改正前と改正後での所得税の差を計算すると、以下の通りです。


  改正改正後
不動産所得2,000千円2,000千円
年金の所得(雑所得)1,500千円1,875千円
合計所得金額3,500千円3,875千円
所得控除額1,900千円1,020千円(*)
差引 課税所得1,600千円2,855千円
税額128千円228千円
(*)配偶者特別控除38万円、 老年者控除50万円を減額


 改正前後で、所得控除等が減少し、その結果として約120万円も課税所得が増えたこととなります。330万円未満の所得に対する税率は10%ですので、約10万円も所得税が増税となります。
 加えて、住民税も6万円ほど増加するので(200万円以下の税率5%)、年金受給者等には大変厳しいものと言わざるを得ません。

 なお、この改悪税制は、平成17年度分以後の所得税および平成18年度分以後の個人住民税について適用されます。
    
2004/09(田中 淳)

ページのトップへもどる インデックスページへ戻る