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非営利・協同論の基礎
2004/06
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私どもの業務の大半が「非営利・協同」の組織にかかるもので、このため特別のコーナーを別途に設置して、当該分野にかかる様々な論点や情報等を発信することとしました。漸次、充実したコーナーに育てていきたいと考えています。
1.協働と非営利・協同 私たちの事務所の名称が「協働」です。小さな集団ですがクライアントと共に働く、事務所全員が協力・共同して働く協同労働と位置付けていること、同時に事務所が担っている業務の大部分が医療機関、協同組合、公益法人、社会福祉法人、労働組合、共済団体など、いわば非営利・協同の組織であることなどを勘案して、このような事務所名を7年前から名乗っています。
2.非営利・協同 非営利協同ではなく、非営利・協同です。非営利であっても協同ではない、協同であっても営利目的である、そのような事業組織の存在を否定しているわけではありません。非営利性と協同性この双方を組織の原則として確認追求するような組織を発展させたいと思っています。私たちはサポートする役割を果たすべく共に考え、共に実践し、共に理論探求する、そのような情報を発信し続けたいと考えています。
3.非営利・協同総合研究所いのちとくらし 私どもが関わっている研究所です。
(ホームページは http://www.inhcc.org/index.html です。)
この研究所も誕生して間もないですが、その研究所報では、非営利・協同の意義や医療・福祉・共済その他の論点について、多数の論文等が発表されつつあります。ぜひ、そちらへのアクセスもお願いいたします。なお当HPからもリンクしています。
4.協同労働 スペインの協同組合法は我が国の分野別協同組合法と異なり、単一の法制度であり、一つの協同組合法の中に農業、漁業、消費、金融などの事業目的別制度が設置されています。その中に、協同労働協同組合という協同組合が認められているのです。すなわち労働をする、協力共同して働くことを設立意義とする協同組合です。協同労働とはいかなる意義か、どのようなことか、我が国で法制化運動として進められている労働者協同組合法と重なるものなのか、これらの課題も明らかにしていきたいと思っています。
5.モンドラゴン 竜の山伝説が由来であるユニークな地域に発展したきたモンドラゴン複合企業(略称、MCC)はスペイン北部のバスク地域で生まれた協同組合群です。私どもが、このコーナーを設置することとなる契機がそこにあります。1987年、私どものメンバーの一人が初めてバスクに取材にいき、日本型モデルにはない論点の数々を見いだしつつ、非営利・協同とは何かの模索の原点となっている調査研究対象企業です。今後も注視しながら論点整理を試みたいと思います。
6.非営利法人法(仮称) 与党政府は、平成17年度を目標に、新法「非営利法人法(仮称)」を制定しようとして準備を進めています。かつて特定非営利活動促進法(通称NPO法)を設置し、その後中間法人法を制定しましたが、古い時代から存在している公益法人(財団法人、社団法人)の制度を規定している民法(34条)を含めて非営利法人を規制する法体系がバラバラとなり、この一元化を期してすなわち民法34条を廃止しNPOや中間法人なども吸収した新しい法律を新規制定しようという目論見です。
7.非営利法人・団体への課税制度 まず消費税は個人でも法人でも、法人格なき団体でも消費税課税対象収益が1千万円を超えたら申告納税が必要です。免税ラインが引き下げ改悪された消費税法は、2004年4月1日以降に開始する事業年度(個人は一律、2005年度分より)からの適用です。消費税の申告納税は組織形態等を問うていません。非営利・協同の組織等もみな対象です。
これに対して法人税法は、物品販売、貸付、請負、代理などの「収益事業」を営む場合に法人税の申告納税義務があるとしています。この間の税収の落ち込みや消費税の課税範囲の拡大等と相まって非営利団体等への税務署照会や税務調査が多発しています。
さらに「非営利法人法」制定の議論の底流では、非営利組織等の原則非課税・限定課税という現行の取り扱いを逆にして、原則課税・限定非課税にするという方向性が強くにじんでいます。対価性ある事業は原則として法人税等を課税する、という無茶苦茶な議論となっています。会費や組合費にかかる活動収支差額に法人税が課税され、同時に消費税も一緒にというのが見え隠れしています。この超要警戒の目論見を強く意識し、適正かつ明快な非営利法人法と税制の制度化を要求していくことが求められています。
8.協働メンバー執筆の非営利・協働関係論文等 ・『協同組合の拓く社会』1988.06.(株)みんけん出版
・『民主経営の理論と実践』1997.02.(株)同時代社
・『ウォッカにさそわれて』1999.03(株)同時代社
・『共生社会と協同労働』2000.02.(株)同時代社
・『社会保障は民営化すべきか』2000.12.(株)同時代社
・「非営利・協同の事業組織」2003.08.(『いのちとくらし研究所報NO.4』所収)
・『労働組合・非営利団体の会計と税務Q&A』2004.01(株)大月書店
・「新非営利法人法の制定議論と税制改悪の方向」2004.02.(『いのちとくらし研究所報NO.6』所収)
・協働季刊紙バックナンバー分
「月曜日の竜」第4号
「非営利・協同組織の経営管理論」第5号
「非営利・協同のアレコレ」第11号
「非営利・協同とNPO」第12号
「非営利法人と会計」第14号
「障害者支援を巡って」第15号
「ひろがる共済事業組織」15周年記念号
2004/06(坂根 利幸)
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