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<「給与等の調査について(照会)」の対応について>

Q 法人宛に「給与等の調査について(照会)」が市役所から送付されてきました。

 職員の給与支払い状況を記載するようになっていますが、回答する必要はあるのでしょうか?

 

A 職員に確認した上で、回答することが必要です。

 

 市町村から法人の給与担当者宛に、このような照会文書が届くことがあります。

 この照会は、職員が市税を滞納している場合おいて、その滞納処分のための財産調査です。簡単に言うと、市が税金の滞納者に対して差し押さえの準備を始めたことを意味します。

 文書の中に、「国税徴収法141条3号 (*) により、回答をお願いします。」と記載されています。

 『市町村から国税徴収法により・・・、なぜ?』と思われる方もいるはずです。

 市町村税は、地方税法により課税される税金ですが、地方税法は滞納調査について、国税徴収法141条を準用する規定を定めているため、このような文章の記載になっています。

 市町村によるこのような照会は、過年度分の住民税や固定資産税の滞納の事実に基づくことが多いようです。照会が在籍法人に届くまでには相当な期間が経過し、ご本人にも何度となく督促通知が届いているはずです。

 法人としては、職員の個人情報に関わることなので回答を避けたいところです。

 しかし、この調査権を拒否することによる罰則が定められているため、法人として対応せざるを得ません。

 法人の回答に基づき、実際に給与の差押さえが実行(給与天引き)されることもあります。まずはご本人に照会があった旨を知らせ、その事実が正しいのかどうかを確かめた上で回答をすることが適当でしょう。

 

(*) 国税徴収法第141条第3号「質問及び調査」

 徴収職員は、滞納処分のために滞納者の財団を調査する必要があるときは、その必要と認める範囲において次に掲げる者に質問し、またはその者の財産に関する財産に関する帳簿書類を検査することができる。

 

3号 滞納者対して債権又は債務があり、又は滞納者から財産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者

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