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<消費税増税の経過措置~自動更新条項がある場合の判定ポイントは「解約申出期限」>

Q 当法人の事務所の賃貸契約は11月1日~10月31日の契約期間で、平成25年に自動更新しました。平成25年10月1日以後の契約なので、旧税率が適用される経過措置の対象外だと思っていましたが、自動更新の契約の場合は、解約申出期限が経過したときに新たな契約が結ばれたと考えるということを知りました。

 この契約書の解約申出期限は9月30日になっています。新たな契約日が9月30日なら経過措置の適用になりますが、「経過したときに」ということは、新たな契約日は10月1日となるのでしょうか。1日のズレで消費税負担が大分増えるので、貸し主と確認したいと思っています。なお、契約日以外は経過措置が適用される契約になっています。

 

A 自動更新条項のある契約について消費税の経過措置を適用する際の、指定日の前日(平成25年9月30日)までに締結された契約かどうかの判定の着目ポイントは、「新たな契約日」ではなく、「解約申出期限」で、期限が指定日の前日以前の自動更新であれば、経過措置が適用されると思われます。

 ご質問の契約では、解約申出期限が平成25年9月30日ですから、旧税率が適用される経過措置に該当すると思われます。

 

 

<解説>

 

 国税庁の「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」の問37に自動継続条項のある賃貸借契約について記載されています。

 問37の(注)として、次のように解説されていますが、紛らわしい表現になっています。

 

「(注) 自動継続条項のある賃貸借契約で、例えば、解約する場合は貸付期間満了日の○月前までに申し出ることとされている場合、解約申出期限を経過したときに当事者間の合意、すなわち新たな契約の締結があったものと考えるのが相当ですから、指定日の前日までに解約申出期限が経過して自動継続された契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続き貸付けを行う場合には、その自動継続後の貸付けで施行日以後行われるものについてこの経過措置が適用されます。」

 

 前段の「期限が経過したときに~新たな契約締結と考えるのが相当」という表現からは、「経過したとき」ですから、ご質問の例では10月1日に新たな契約の締結がされたと考えるのが相当という解釈になると思われます。このように記載されますと「新たな契約日」がポイントになるように感じますが、後段では「新たな契約日」は登場しません。従って、前段の意味するところは、経過措置の適用を判定する際には、自動更新条項がある契約の場合は、原始契約日(最初の契約日)では無く、自動更新時点で新たな契約締結がされたものとして判定するのだということを記載しているに過ぎないと理解されます。つまり、前段は「新たな契約日」の意義を規定する内容ではなく、経過措置の適用判定上、自動更新条項のある契約についての考え方を一般的な表現で記載しているだけで、適用判定の結論は後段に記載されていると理解されます。

 後段の結論としては、「指定日の前日までに解約申出期限が経過して自動継続された契約」には経過措置が適用されるとしています。つまり、ザックリ言えば、平成25年9月30日までに自動更新の解約申出期限が経過していれば経過措置が適用されると理解されます。従って、ご質問の契約には経過措置が適用されるものと思われます。

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