協働 公認会計士共同事務所

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会計間貸借

Q 私は最近労働組合の経理担当となりました。決算期を迎えたことから現在決算書を作成していますが、貸借対照表を作成する中で会計間貸借といった言葉を耳にしました。これはなんでしょうか。また貸借対照表作成上、なにか留意点はあるのでしょうか。

  なお、私たちの組合は、一般会計のほか、いくつかの特別会計を設けています。

 

A 会計間貸借とは、組合に設けられた会計間での債権債務のことを言います。また、組合全体の財産状況を示す総合貸借対照表(全会計の貸借対照表を合算したもの)を作成する際には、会計間貸借は相殺消去する必要があります。

 

解説

 

 例えば、一般会計と闘争資金会計を設けている組合を仮定します。

 このとき、闘争関連費用は闘争資金会計の財政から支出を行うことになると思いますが、何らかの事情で一般会計から当該費用の支出が行われたとします。この場合、一般会計では闘争資金会計に対する立替金が、一方、闘争資金会計では一般会計に対する未払金が生じ、これが期末まで未精算の場合にはそれぞれの会計に立替金と未払金が計上されることになります。このように、組合の会計間で生じた債権債務を会計間貸借と言います。なお、上記説明からもお分かりになるように、会計間貸借は対になって生じるものですので、両会計での計上額は必ず一致します。

 

 また、上記の例で言いますと、一般会計から見れば実際に闘争資金会計に対する立替金が生じておりますし、闘争資金会計についても一般会計に対する未精算費用に関する未払金が生じておりますが、組合全体として考えた時には、当該立替金と未払金はあくまで組合内の債権債務であり、対外的な債権債務とは性質を異にします。そのため、これをそのまま合算して総合貸借対照表を作成すると、組合の財政状況を歪めて表現することになりかねません。

 よって、そういった誤解を生じさせないためにも、総合貸借対照表を作る際には、会計間貸借について相殺消去する必要があります。

 そのため、貴組合の会計間で会計間貸借に該当するものが計上されている場合には、総合貸借対照表作成にあたって、それぞれ該当科目において相殺消去を行う必要があります。なお、既述のとおり、債権債務それぞれ同額で計上されているものを相殺しますので、相殺消去後の貸借も必ずバランスします。

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