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役員給与

Q 法人税課税法人である医療法人である当法人で、6月の総会において7月1日付けで総務部長が専務に就任することが決定しました。夏期賞与の算定期間が4月1日から9月30日であり、7月25日が支給日となっています。職員としての4月から6月までの賞与支給及び7月から9月分の賞与も職員(使用人兼務役員)として計算して支給しても問題ないでしょうか。

 

A 4月から6月分の賞与は使用人としての賞与であり問題はありませんが、7月から9月分の賞与は役員給与損金不算入として法人税の課税対象となります。

 

<解説>

 使用人の賞与は原則として損金算入が認められていますが、役員の賞与は一部認められたものを除き損金不算入となります。

 

(1)専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員は使用人兼務役員になれない人として規定されています。(法人税法施行令第71条) 

 税法上、今回のケースでは、6月までは使用人、7月以降は役員ということになります。

 次に、使用人としての賞与と役員の賞与についてですが、

(2)使用人であった者が役員となった場合において、その直後にその者に対して支給した賞与の額のうちその使用人であった期間に係る賞与の額として相当であると認められる部分の金額は、使用人に対して支給した賞与の額として認められます。(法人税法基本通達9-2-27)

 よって、賞与の算定期間の途中で使用人から役員になった場合、使用人として従事していた期間に係る賞与(4月から6月分)は原則として損金に算入でき問題はありません。使用人であった期間に係る賞与に加えて、仮に職員の賞与と同基準で7月から9月の賞与を支給した場合、当該期間は役員であることから役員報酬に該当しますが、役員報酬は事前確定届出給与や定期同額給与など損金として認められるものに制限があります。(法人税法第34条)

 今回のケースでは、いずれにも該当しないため損金としては認められないこととなります。

 定期同額給与についての説明は割愛しますが、実務上、役員に対する賞与支給については毎月の役員給与に上乗せし定期同額給与として損金算入している法人が多いように思われます。

 

以上

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