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秩父・奥多摩日帰りハイキングのすすめ

 若いころは、山登りなどきついだけで面白くない、スポーツなら勝ち負けがはっきりした球技のほうがよい、などと考えていましたが、老化の始まった50才台を迎え、精神、肉体両面での不調を自覚する中で、「山でも登ってみようか」という気になりました。

幸い私の住まいは東京都下屈指のハイキングコースである秩父や奥多摩への玄関口にあたり、車でいけば1時間程度で登り始められます。無理をせず、1000メートル前後の山を中心に頂上まで3時間以内程度を目安に、ひいひい言いながら楽しんでいます。登山案内書でチェックしてみると、いつの間にか奥武蔵(秩父の東京側)や奥多摩の1000メートルクラスは大体制覇(?)でき、それが私の最近の自慢です。

 当初は一人では不安なので娘や女房を巻き込み一緒に登ってもらっていましたが、年頃になるとともに娘は忙しくなり、女房はひざの限界(体重の限界?)を訴えてついてこなくなり、単独行も増えてきました。でも、山の中で一人ぽつんと何も考えずにいる状況もまた楽しいものだとよくわかりました。また、日本の自然も捨てたものではないということもあらためて確認できました。

 ただ、会計士という仕事の性格上4~5月、10~11月といったハイキングの一番よい時期にいくことができないのが悩みです。眺望はいまいち、暑かったり寒かったりとならざるを得ませんが、春秋でのハイキングは老後の楽しみにとっておきたいと思います。今は日曜日に時間を見つけて車で山に直行直帰をし、風呂に入ってビールを飲んで熟睡するといった少々余裕のないスケジュールでやるしかありません。

 

 以下、奥武蔵、名栗、奥多摩のお手軽なおすすめコースをいくつか紹介します。また、初心者向けに用具や登山マナーを紹介します。ぜひ一度訪れてみてください。

 

 

1、おすすめのハイキングコース

 

(奥武蔵-伊豆が岳851メートル)

 奥武蔵では人気no1の山です。2時間弱で登れますし、頂上の眺望もよいです。

 スタートは秩父に向かう西武秩父線の正丸駅(西武池袋線飯能駅から20分程度)の裏です。車であれば、正丸駅の有料駐車場に止められます。

 低山ですが馬鹿にはならず、途中では林の中をよじ登るような急登があります。また、頂上直下で登頂ルートは男坂と女坂に分かれますが、男坂は岩場を鎖でよじ登ります(男坂入り口は登頂禁止の立て札がありますが、結構登っている人がいます)。

 帰りは正丸峠の方に下っていくルートもあります。

 

(名栗-棒の峯969メートル)

 名栗川(入間川、荒川の上流)と多摩川にはさまれた奥多摩山系の一部ですが、私のお勧めは名栗湖(有馬ダム)をスタートして登頂するルートです。電車では西武池袋線飯能駅から名栗湖(さわらびの湯)行きバスで30分程度です。車であれば、バス停裏の無料駐車場に止められます。

 バス停から名栗湖に向かい、湖をまたぐ橋をわたり奥へ進んでいくと20分ほどで名栗湖に注ぐ沢沿いの登山口(白谷沢)が左手にあります。ここから沢登りが始まります。私の気に入っている沢で、途中小さな滝があったり沢渡りもしますが、道は沢沿いで明確であり、さほどきつくもありません。沢登りが終了すると林道にぶつかり、ここから尾根沿いにのぼっていくと、スタートから2時間半程度で頂上につきます。 

帰りは沢下りは怖いので、岩茸石というところから尾根沿いにバス停に直接下りるコースがあります。それを選んでもらえると2時間弱で戻れます。また、降りた後でゆっくりさわらびの湯(温泉)につかることもできます。

 

(奥多摩-川苔山1364メートル)

棒の峯の奥多摩側に位置し、いわゆる奥多摩三山のひとつです。(残りは御前山、三頭山。川苔山が多摩川の北側なのに対し、こちらはいずれも多摩川の南に位置しています。)前に紹介した山よりも高度があり苦労もしますが、「登山をした」という気になる山です。

 コースはいくつもありますが、私が選んだのは、青梅線奥多摩駅からバスに乗り、川乗橋下車でそこからスタートし、帰りは青梅線鳩ノ巣駅に降りるルートです。車であれば、鳩ノ巣駅から青梅街道に降りて行ったところにある無料駐車場に止め、そこから青梅線を利用するのが便利です。

 以前3月の確定申告直後に向かった経験をお話しします。

 川乗橋バス停をスタートし、まずは林道を歩きました。細倉橋を渡ると登山口がありそちらに入りましたが、しばらくは登山ルートも林道に沿っています。スタートから1時間余りあるくと左下に百尋の滝が小さく見えました。滝までは下りですし天気も良くなかったので、登頂を優先しそのまま右手を進みました。1000メートル程度のところへくると3月でも残雪がアイスバーンになっていました。歩きにくいし危険なので、ここで初めて軽アイゼンを取り付けました。10分ほど悪戦苦闘して何とかアイゼンを取り付け、途中の道標を確認し進みましたが、今度は残雪のため沢沿いに登る途中でルートがわからなくなりました。しかたなく道標まで戻り、あらためてのぼりを開始します。頂上直下は尾根沿いに開けていて眺望もよいです。だいぶ時間をロスしましたが、4時間程度で登れました。

 帰りは直接鳩ノ巣駅に向かいました。

 

 

2、ハイキングで準備すること

 

 わたしが登るような1000メートル程度の低山であればそんなに心配するようなことはなく、気軽に考えてもらってよいと思います。ただ、「山をバカにしてはいけない」というベテランのご意見が聞こえてきそうでもあるので、私の経験上での準備すべきものを紹介します。

 

(地図、登山案内)

 

 まずは、計画を立てるにあたり、登山案内書と地図を用意します。登山案内書についている地図でもふつうは事足りますが、わたしは一応5万分の1の地図を持っていきます。注意点は、登山案内書が古いと廃道となったルートが乗っていたりすること、記載されている登頂時間は案内書によって異なっているのでそれに惑わされないようにすること、といった点です。

 

(トレッキングシューズ、リュックサック)

 

 靴はやはり大事で、歩きやすさやけが防止の上でトレッキングシューズは必需品です。厚い靴下をはく場合等を考慮し、少し大きめの物を買うのがポイントです。ただ、ベテランの方は数万円の防水型でくるぶしを固めたちゃんとしたものがよいといいますが、私はホーキンスの5千円のものであり、これで特に支障はありません。

 また、リュックサックも当然必要ですが、防水型の数万円のものをすすめる人もいますが、私のものはスーパーで女房が買ってきた980円のリュックです。

 

(ウエア、帽子、防寒具、雨具)

 

 ウエアは汚れてもよいものであれば何でもよいと思いますが、ポイントは長そで長ズボンです。肌を露出していると藪などを歩くときにけがをする場合があります(ただ、あんまり暑い時期で心配がないときには私は半そで半ズボンです)。

帽子は日差しよけ、雨等にそなえて大体の人がかぶっています。

 また、山には急激な温度低下があることは、北海道で夏に起こった遭難事故でも明らかです。もちろん低山ではさほどでもありませんが、私は必ず1枚は防寒具をリュックに詰めておくようにしています。また、冬場の登山の場合には、下着の上に着るアンダーウエアはスキー用のものを使用しています。

さらに雨具は天候の急変に備えて絶対に必要です。ゴアテックスの高級品等がすすめられていますが、私の場合はジョギング用のウィンドブレーカーの上着を用意しています。

 

(水、食料)

 

 水、食料は山に向かう途中コンビニで調達します。水はお茶でも何でもかまいませんが1リットルのペットボトルを用意します。夏場はコンビニで冷凍してある500ミリリットルのものがあるのでそれも買います(ただ、冷凍のものだけしか用意しなかった時に解けるまで水分が取れず往生したことがありました)。

食料は山頂での楽しみであり、好きなものを何でも用意すればよいのですが、多めに用意すること、甘いものも購入しておくことがポイントです。私は必ず、明治のアーモンドチョコレートとハイチュウを買います。

 

 

(その他、鈴、ストック、コンパス等)

 

 今まで動物にぶつかったことはありませんが、熊の子供を見たという話を聞いたことはあります(真偽は不明)。よって、クマよけの鈴は用意しておくと安心にはなります。1000~2000円程度で登山ショップで売っていますが、携帯ラジオ等音が出るものであれば何でもよいです。でもうるさいので、私は心配ないときにはリュックに入れてしまいます。

 ストックは私は持っていませんが、上り下りが楽なようで使用している人はよくみます。

 その他コンパス(高度計付き)は最近買いました。地図の見方がある程度わかる人には便利なようですが、私は本格的に使用する状況になったことはありません。

 

 

3、ハイキングでのマナー

 

 ハイキングは気軽に自由に行動してかまわないのですが、最低限のマナーはあります。以下のような点がポイントです。

 

(ゴミは必ず持ちかえる)

 当たり前のことですが、自然はみんなの財産であり、それを汚してはいけません。ゴミはリュックに入れて必ず持ちかえりましょう。

 

(登山道以外には入らない)

自然を守るため、登山道の外にはなるべく足を踏み入れないようにしましょう。

 

(すれ違うハイカーには挨拶を)

 すれ違うハイカーとは必ず挨拶をかわします。知らない人にあいさつするのも何かの縁です。また、万が一の遭難時の情報にもなります。

 

(上り優先)

 すれ違う時の基本ルールは上りが優先です。下りの登山者は山側(だったと思う)によって、上りの人を通します。

 

 

以上

根本 守

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