2016年初秋 雑感
当事務所では、名入れカレンダーを準備し、わずかですが、クライアントの方々にお分けする取り組みを続けています。
そろそろ準備を始める季節で、先日2017年用のサンプルが届きました。
共同作業所の方々が呼びかけられ、障害者による作品を題材とした「はたらく仲間のうた」というカレンダーです。1986年から始まったので今年度で30年目になり、集まる作品の1500点を超えるそうです。色鮮やかなものや、精緻なものなど本当に多彩な作品が集まり、素晴らしいと感じます。
このところ、障害者をめぐる様々な事柄がマスコミの話題になっています。
とりわけ、神奈川県で起きた障害者施設での事件は、大変痛ましいものです。
障害者が安心して暮らせる努力が続けてこられ、少しずつ広がってきていると思いますが、しかし、加害者が取り憑かれてしまった自己中心的な考えもなかなか無くならないようで、まだまだ超えるべきハードルがいくつもあるようです。
他者が自分勝手に障害について優劣をつけるのでなく、皆が安心して暮らせるために相互に「障害」について考え、向き合っていくことができないかと考えます。
リオパラリンピックでは、メダルの有無にかかわらず熱戦が繰り広げられ、ここではスポーツでハンディキャップを乗り越える姿が見られました。また、冒頭に書いたように美術などで様々な才能の花を開かせる方たちもいます。これらのことが、「障害」となっていることが何か、ということに向きあい、考える機会になればと思います。
また、華やかな舞台でなくとも、ただ安心して日々暮らせることが障害の有無に関わらず大切だ、ということが実感できる社会にしたいものです。
簡単に解決する問題ではないと思いますが、よりよい社会へ向けて考え続け、行動することがより一層求められていると思います。
(田中淳)