早いもので、もう師走、この一年をふり返ってみますと、労働者の生活や医療を取り巻く状況はますます厳しさを増しており、国外の状況を見ても明るい兆しはなかなか見えません。ひとつの光明というべきものは日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞です。ともすれば「何を言っても世界は変わらない」と思わせられる情勢の中、この受賞は少しでもよい社会にしたいと願い行動するあらゆる世代の人びとへの大きなメッセージであると同時に、核兵器の使用は道徳的に受け入れられないという「核のタブー」がいま脅威にさらされている現状をも反映させています。
この「核のタブー」という世界共通の認識をつくりあげるまでの日本被団協の皆様をはじめ被爆を体験された方々の歩みや、それがナガサキ・ヒロシマの高校生に継承されていることから学ぶべきは、集団で共通の課題に取り組むことの重要さはもちろんのこと、取り巻く状況にかかわらず伝え続けること、相手に伝えるために自ら変わることを辞さない姿勢だと思います。
先達の歩みに自らを連ねる決意を新たに、新年を迎えたく存じます。
2024年12月