協働 公認会計士共同事務所

ご挨拶

 毎年3月に、ガザ地区の子どもたちが東日本大震災の犠牲者を追悼し、被災者へ連帯の意を示すために凧を揚げているのはご存じでしょうか。凧揚げはガザ南部のハンユニスでおこなわれますが、その一角には日本からの支援により建てられた診療所や学校、住宅があり、地元では親しみをこめて「日本地区」と呼ばれています。ガザの苦難は今にはじまったことではなく、近年では2014年夏のイスラエル軍侵攻により50日間で2,200人以上の人びとが殺害され、多くの子どもたちも犠牲となりました。こうした状況にもかかわらず、いや、大事な人を失う痛みを知るからこそ、ハンユニスの学校関係者たちは戦禍の傷跡が残るなか当然のごとく凧揚げの準備をはじめ、その冬の2015年3月に1,000人もの子どもたちが日本へ思いを届けようと色とりどりの凧を空へ舞わせました。2023年の3月にもこの行事はおこなわれています。

 

 いま、子どもたちの命が奪われています。

 

2023年10月7日のハマスによるイスラエルへの襲撃により1200人を超える人びとが殺害され、外国籍者を含む239人が人質として拉致されました。そして、その後のイスラエル軍によるガザ地区への攻撃により、1万5000人を超えるパレスチナ人が殺されましたが、そのうち子どもの犠牲者数は全体の40パーセント以上にもなり、これは世界の紛争地における子どもの犠牲者のうち突出した割合を占めています(11月28日現在)。これらの数字に示される現実のあまりの酷さに言葉を失います。そして、数字だけでは決して人ひとりの命の重さをはかることはできません。

 

子どもは戦争をはじめることも止めることもできません。何も知らない子どもたちが、「何も悪いことをしていないのに」といって泣き、傷つき、死んでいく、この耐え難い状況に対して世界各地で反対の声が上げられています。イスラエル領内でも「連帯 (Standing together)」というユダヤ人とパレスチナ人による共同グループが、ネタニヤフ政権に対し和平を求め、パレスチナ人への差別をやめるよう領内各地で活動しています。

 

 もとより、われわれは国際人道法に違反するハマス、イスラエル双方の民間人に対する武力行為を非難し、永続的停戦と人質全員の返還を強く求めます。とりわけイスラエルの圧倒的な軍事力によるガザ地区攻撃は国連高官が「大虐殺」「子どもの墓場」と呼びあらわすほど悲惨な状況を生んでおり、一時的な休戦ではなく停戦させるために国際社会はあらゆる手を尽くすべきです。

 イスラエルはオスロ合意後も数々の国連安保理決議を無視してパレスチナ自治区への入植を続け、人びとの移動の自由を奪い、経済封鎖をおこない、子どもや若者の投石による抵抗に対して銃弾を浴びせてきました。ハマスが台頭した背景には「天井のない監獄」と呼ばれる絶望的状況があることを理解する必要があります。

日本は一貫してパレスチナの教育や医療、インフラ設備を支援してきました。こうした立場であるからこそ、日本政府はイスラエルとパレスチナ双方へ働きかけることが可能であり、欧米の二重基準におもねることなく、永続的停戦と人道支援の実現のために積極的に働きかけるべきです。

 2023年12月

 

 

※緊急アピール(2022年3月1日)

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