4月に入り、新年度を迎えました。この4月から新しい生活が始まる方もいらっしゃることでしょう。
大企業を中心に、この春闘では「賃上げ」が大きな話題となっています。大幅な物価高騰のなか、労働者の生活を守り、経済活動が適切に循環していくためにも「賃上げ」は当然に必要なことです。一方で、日本の大部分を占める中小企業では、必ずしも充分な「賃上げ」ができない経営状態におかれている現実があります。特に、私どもが多く関与する医療・介護従事者の状況は深刻です。
厚生労働省の調査によると、介護保険制度が始まって以降、全国の介護職員数は初めて減少となったそうです。そもそも医療・介護は「報酬」が公定価格で決められており、物価高騰の影響を患者・利用者に価格転嫁することはできません。それに加えて、「社会保障費抑制政策」のなかで、2024年度の診療報酬・介護報酬の同時改定は実質的にマイナス改定となっており、多くの医療機関・介護事業所の経営状態は危機的状況となっています。こうしたなか、医療・介護を支える「エッセンシャルワーカー」に充分な賃金が行き渡らず、離職せざるを得ない事態が拡大しています。このままでは、国民の命とくらしを守る医療・介護が崩壊し兼ねません。この問題を打開するためには、「場当たり的」な補助金ではなく、診療報酬・介護報酬の抜本的拡充が不可欠です。
私たち協働も、民医連をはじめとした各種医療・介護団体と連帯し、展望のある2025年度を一緒に切り拓いていく決意です。
2025年4月
※緊急アピール(2022年3月1日)


